廃品回収をスピーカーで案内する
軽トラって大丈夫なの?
「不用品を無料で回収します」とスピーカーを流しながら住宅地を巡回している軽トラック。「本当に無料なの?」「頼んでも大丈夫なのかしら」と思っている人も多いと思います。
そこでこのページでは、無料で回収できるカラクリや違法の可能性について解説します。
廃品回収をスピーカーで宣伝しているトラックは
違法業者?!
不用品の回収は、自治体から「一般廃棄物収集運搬業」の許可を得ている業者でないとできません。
ほとんどの自治体サイトには
「当自治体が一般廃棄物収集運搬業の許可を出した事業者が、トラック等で街宣しながら廃棄物を収集することはありません」
などと書かれています。
わざわざこの文言を自治体のサイトに入れているのは、こうした巡回トラックによる、高額請求や不法廃棄などのトラブルが多く発生しているからです。
また、「無料で不用品を回収します」などの記載があるチラシのポスティングもよくありますが、これも同様に違法業者である可能性が高いです。
不用品の回収を依頼したいと考えていたら、会社名、所在地、ホームページがあるか、そして「一般廃棄物収集運搬業許可「の取得番号があるかなどきちんと確認しましょう。
廃品回収車に想定される違法行為って?
廃品回収車や無料回収をうたうチラシの業者には以下のような違法行為が考えられます。
- 廃棄物処理法違反
「一般廃棄物収集運搬業」の許可を取得せずに営業していると「廃棄物処理法違反」に問われます。
中古品を売買する「古物商許可」という許可だけでは不用品の回収はできないので注意しましょう。
- 家電リサイクル法違反
エアコン、冷蔵庫、洗濯機、テレビなど特定家庭用機器として指定された家電は、許可を得た業者が引取るよう法律で定められています。許可を得ていない業者が引取ると「家電リサイクル法違反」となります。
- 拡声器使用違反
トラックでスピーカーから宣伝を流す場合、55db(デシベル)もしくは60db以下の音量に抑えることが自治体の規定で定められています。また住宅地での使用や移動する道路の幅、時間帯などに制限がある場合もあり、これらの規定が守られていない場合は「拡声器使用違反」となります。
- 不法投棄
回収した不用品を適切に処理することなく、不法に投棄すると罪に問われます。不法投棄は、捨てた業者だけでなく捨てられた不用品の持ち主も責任に問われることがあります。
- 高額請求や脅迫
無料で回収といいながら、後から高額な料金を請求してきたり、一度依頼してきたものは断れないよう強迫してくるのも違法行為となります。
不用品回収が無料ってホント?そのカラクリとは
不用品はゴミとして処分するのにお金がかかります。
それなのになぜ無料とうたっているチラシの業者や廃品回収車は、「無料で回収」と宣伝するのでしょうか。
無料回収の仕組みは・・・
- ①買取専門のリサイクル業者が集めている場合
- 不用品の中には、まだ使えるタンスやテーブル、電化製品などがあります。通常売れないとされるものでも、一人暮らしの学生や生活保護世帯などに需要があるため、リサイクル品としてきれいにして売却し、利益を得ています。
- ②輸出業者に流れている場合
- 「動くけどモデルが古い」「ちょっと壊れているだけ」などの不用品は、日本製品ということで海外では高値で取引されるものもあります。こうしたものを海外に輸出する業者に売って利益を得ている場合もあります。
ただしこの場合、不正輸出をしている可能性が高いので注意が必要です。
上記のような理由が該当すると、宣伝通り無料で回収してくれる場合もあります。
しかし大半の業者は、
- 回収は無料でも大きいものを家からトラックまで積み込んだ費用はかかる
- 無料といったのは見積りだけ
- トラックに積み終わってから高額請求
など無料でないどころが高額請求されるといったトラブルを引き起こしています。
また無料で回収し、お金になるものだけを業者に売って残りは不法投棄するといった悪質な廃品回収業者もあり、行政も利用しないよう呼びかけています。